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矯正治療が保険適用になる症例って?負担額や適用できる歯科医院の探し方は?

矯正治療が保険適用になる症例って?負担額や適用できる歯科医院の探し方は?

こんにちは!

神奈川県横須賀市安浦町にある、横須賀Sun&Ocean矯正歯科です。

矯正治療が保険適用になる症例があると聞き、どんな症例が適用となるのか気になって調べているという方も多いのではないでしょうか?

そこで本記事では、矯正治療が保険適用になる症例についてや、もし保険適用になった場合の負担額について紹介していきます

また、保険適用の矯正治療ができる歯科医院の探し方についても紹介していますので、「保険適用の矯正治療について調べている」という方はぜひ参考にしてみてください

CONTENTS

矯正治療が保険適用になるケースって?

矯正治療が保険適用になるケースは、主に以下の3つの条件を満たすものに限られます。

  1. 厚生労働大臣が保険適用と定める疾患
  2. 前歯3歯以上の永久歯萌出不全による咬合異常
  3. 手術を必要とする顎変形症の手術前後

医療機関において、これらのなかからいずれかに該当すると判断されれば、公的医療保険が矯正治療に適用されます。それぞれについて、詳しく紹介していきます。

①厚生労働大臣が保険適用と定める疾患

厚生労働大臣が保険適用と定める疾患は、2022年2月現在、以下の59種類あります

この59種類のいずれかの疾患が原因で「咬合異常」が起こっていれば、その咬合異常を改善するための矯正治療が保険適用となります。

  1. 唇顎口蓋裂
  2. 鎖骨頭蓋骨異形成
  3. ピエール・ロバン症候群
  4. ダウン症候群
  5. ラッセル・シルバー症候群
  6. ターナー症候群
  7. 顔面半側萎縮症
  8. 先天性ミオパチー
  9. 筋ジストロフィー
  10. 脊髄性筋委縮症
  11. 顔面半側肥大症
  12. 軟骨形成不全症
  13. 外胚葉異形成症
  14. 神経線維腫症
  15. 基底細胞母斑症候群
  16. ヌーナン症候群
  17. マルファン症候群
  18. プラダー・ウィリー症候群
  19. 大理石骨病
  20. 色素失調症
  21. 小舌症
  22. メビウス症候群
  23. 歌舞伎症候群
  24. ビンダー症候群
  25. ラーセン症候群
  26. 濃化異骨症
  27. 骨形成不全症
  28. リンパ管腫
  29. 全前脳胞症
  30. ソトス症候群
  31. ウイリアムズ症候群
  32. ケルビズム
  33. リング症候群
  34. スティックラー症候群
  35. CHARGE症候群
  36. マーシャル症候群
  37. 線維性骨異形成症
  38. 染色体欠失症候群
  39. 偽性低アルドステロン症
  40. 偽性副甲状腺機能低下症
  41. 口腔・顔面・指趾症候群
  42. クラインフェルター症候群
  43. トリーチャ・コリンズ症候群
  44. Ekman-Westborg-Julin症候群
  45. ベックウィズ・ウイーデマン症候群
  46. 常染色体重複症候群
  47. スタージ・ウェーバ症候群
  48. フリーマン・シェルドン症候群
  49. ルビンスタイン・ティビ症候群
  50. エリス・ヴァンクレベルド症候群
  51. 6歯以上の先天性部分無歯症
  52. 成長ホルモン分泌不全性低身長症
  53. ゴールデンハー症候群(鰓弓異常症を含む)
  54. 顔面裂(横顔裂、斜顔裂及び正中顔裂を含む)
  55. クリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群
  56. 頭蓋骨癒合症(クルーゾン症候群及び尖頭合指症を含む)
  57. ポリエックス症候群(XXX症候群、XXXX症候群及びXXXXX症候群を含む)
  58. グリコサミノグリカン代謝障害(ムコ多糖症)
  59. その他顎・口腔の先天異常

出典:公益財団法人 日本矯正歯科学会

※その他顎・口腔の先天異常・・・口腔や顎の奇形・変形を伴う先天性疾患であり、当該疾患による咬合異常について歯科矯正の必要性が認められる場合に、その都度当局内議の上で対象とすることができる

②前歯3歯以上の永久歯萌出不全による咬合異常(埋伏歯開窓術を必要とするもの)

通常、歯は6歳ごろから乳歯から永久歯に生え変わりはじめますが、まれに先天的なものや、永久歯が歯ぐきのなかから自力で生えてこられないなどが原因となり、「永久歯萌出不全」を発症するケースがあります。

この「永久歯萌出不全」が原因となり、前歯(永久歯)が3歯以上萌出せず咬合異常を引き起こしている場合、矯正治療が保険適用となります

ただし、埋伏した歯を歯ぐきを切開して出す「埋伏歯開窓術」を必要とする矯正治療に限ります

③手術を必要とする顎変形症の手術前後(顎離断等の手術を必要とするもの)

出典:一般社団法人 日本形成外科学会

手術(顎離断等の手術)を必要とする「顎変形症」の、手術前後に行う矯正治療が保険適用となります

「顎変形症」とは、上下の顎の形・大きさ・バランスなどによって、噛み合わせの異常や、顔の変形などの症状があらわれるものです。

「顎変形症」は、顎の成長のアンバランスによるものが多いと考えられており、その異常には小さなお子さんの頃には気付かず、顎が急成長する思春期頃に症状が明らかとなっていきます。

保険が適用されたら支払いの負担額は?いつも通りでいいの?

では、もし保険適用になるケースだと診断された場合、負担額はどうなるのでしょうか?

これは、通常通りの病院・歯科医院での支払い同様、お持ちの健康保険証の医療費自己負担割合に従います

たとえば、健康保険の医療費自己負担が3割だった場合、100万円(仮)の矯正治療費が30万円になるイメージです。

また、保険適用される症例のなかには、「顎離断」や「埋伏歯開窓術」などの手術が必要なものもあるので、その場合は手術費用も保険適用での支払いが必要です

どこでもできるわけではない!保険適用できる歯科医院は条件をクリアした医院だけ◎

じつは、仮に「保険適用となる症例」であったとしても、どこの歯科医院でも保険適用ができるわけではありません。

ここでは、保険適用ができる歯科医院の条件や、探し方について紹介します。

保険適用できる歯科医院の条件とは?

保険適用での矯正治療を受けるには、一定の条件をクリアした歯科医院を選ぶ必要があります

その条件は、以下の2つのです。

●厚生労働大臣が定める施設基準に適合している●地方厚生(支)局長に届けを出している

この2つの条件をクリアした医療機関であれば、保険適用の矯正治療が受けられます。

保険適用できる歯科医院の探し方は?

しかしながら、どうやって保険適用できる歯科医院を探せばいいのか、歯医者のホームページを見てもよくわからないですよね。

もちろん定期的に通っている歯医者さんがあるのであれば電話で聞いたり、スタッフに聞いたりという手もあるのですが、ここではご自身で簡単に調べられる方法をご紹介します。

  1. 「地方厚生局」8つの厚生(支)局https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/から、ご自身の地域の厚生(支)局ホームページにアクセス
  2. サイト内検索に「施設基準届出受理医療機関名簿」を入力
  3. 県別の受理医療機関より歯科のPDFを探す
  4. そのPDFから「矯診」あるいは「顎診」の指定医療機関を探す

出典:公益財団法人 日本矯正歯科学会

ちなみに、「①厚生労働大臣が保険適用と定める疾患」と「②前歯3歯以上の永久歯萌出不全による咬合異常」が保険適用される医療機関には、受理番号の枠に「矯診」との記載があります。

また、「③手術を必要とする顎変形症の手術前後」が保険適用される医療機関には「顎診」との記載がありますので、確認してみてください。

探したPDFに医療機関の名前があっても、上記の「矯診」「顎診」の記載がなければ、保険適用とはならないので、「④そのPDFから「矯診」あるいは「顎診」の指定医療機関を探す」まで忘れずに検索しましょう!

まとめ

一般的には矯正治療は保険適用とはならず、自由診療であることが多いです。しかしながら、今回ご紹介した疾患や症例の条件にあてはまると判断されれば、矯正治療が保険適用となります。

ただし、仮に保険適用ができる症例であっても、指定された歯科医院でなければ保険適用で矯正治療が受けられないので、まずは今回ご紹介した調べ方でチェックしてみてください。

また、自由診療でも、医療費控除等を利用することで費用を押さえることも可能です。なるべく治療費を抑えたいとお考えのかたは、以下の記事もぜひ参考にしてみてください。

 

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